長相思 8話9話 家族愛

小夭にとって愛とは今の所、家族愛なのだろうね。

弟分二人とも世帯を持って別の家族になってしまい、ずっと側に居ると誓った葉十七も塗山璟という本来の青丘公子の身分が明らかになって離れて行くのが予想される中、いよいよ小夭の孤独は深まっていきます。

 

そこへ相柳の軍営での瘴気による兵士の死亡が増える事態で、薬材調達を小夭は手伝うことになります。

相柳にとって辰栄国軍は家族のようなものらしい。

そもそも群れるのを厭う九頭蛇なのに何か、それなりの因縁があるのかも。

蠱毒を相柳に仕込もうとするが失敗する小夭。

 

相柳は手荒く小夭を扱いますが、妖族なので、親しい者だけにする甘噛み程度の行為かもしれません。うちのゴールデンも調子に乗ると好きな人には甘噛みするので、時々、叱ります。

本気噛みじゃ無いのですが、デッカイ上に力も強いので、少し痛い。

相柳が小夭にだけは心を許しているのが分かります。小夭も相柳に蠱毒を仕込んでも相柳は絶対に小夭に本気噛みはしないから、大して痛くは無いだろうと分かっている。小夭の甘噛みみたいなものなのでしょう。

だから、後でソウゲンに仕込んだ蠱毒が実は自分に仕込む物だったと知っても、さして怒りはしない。

今の時点で一番心も体も許し合っている二人なので、これはサドっ気の愛撫の応酬みたいな物。

 

一緒にいたいわけではないが、いつも会いたい。

家族愛では無いまだ無自覚な愛がそこにはあるけど、相柳の命まで捧げかねない愛に不安を覚える小夭。

失いたく無い、そのためには自分も身を捧げるのも厭わない。

九つの頭があるから、大丈夫みたいなことを言うけれど、簡単に命を捧げそうで怖い。

種族としても違いすぎて恋愛としての成就も難しそう。

 

二人の間にある愛は家族愛では無い。

小夭にとって家族愛なら離れていくのも慣れているから一番欲しい物だけど得られないと思っている。

でも、この相柳を失った時、小夭はどうなるのだろう。

 

さて、今回で尻尾発見でソウゲンが従兄弟だった事に気づいた小夭ですが、ソウゲンはまだ全然気づいてはいません。

小六のオッサンな外見に惑わされて小夭だと言うことに気づかないこのダメ従兄弟。

やらかす度に気づいた時の後悔度が高まる事になるとは、作者も鬼ですね。

まあ、蠱毒を盛られたことで、因果応報な目にあって少しは反省すると良いですけど。

より、恨みが募って攻撃して来そうですね。

 

ワンコならぬ九尾の狐の塗山璟こと十七ですが、必死で尽くしてもこれで助けた恩はチャラね、みたいに言われてまだまだ尽くしようが足りない様です。

赤の他人から元の家族扱いまで復帰するのも難しそう。

酷いことしかしてないのに、本当の家族のソウゲンの存在が小夭に認知されたからには、十七が家族になるのは結婚しか無いんじゃ無いかな?

道は遠いぞ、頑張れ!