長相思 久々の相柳との海中デート

もうね、月曜日からずっと本国ではシーズン2の最終話まで配信されたようで、私のXは相柳の壮絶な戦死シーンが溢れかえっていて、開く度に阿鼻叫喚!至る所で号泣の嵐。

という事で、これはうっかり日本のみならず海外の長相思のファンや檀健次のファンの方々をフォローしてしまった私のせいなんだけど。

ついつい、色々見てしまって、一緒にもらい泣きして、どっぷりと海底まで沈み込んでいましたよ。

で、もって、シーズン1の今回の相柳のシーンが、これまた久々の相柳との海中デートとあって、楽しいシーンの筈なのだけど、最後をまた思い出し泣き。

これも、後になればなるほど美しい二人の思い出として、流れるたびに号泣のシーンになるのね。

 

さて、ソウゲンの婚礼の日、胸の蠱が痛み相柳に

何かあったのではとおもった小夭でしたが、これはわざと相柳が情蠱の痛みを小夭に送りつけたものでした。

「塗山璟の事で、心が痛んだだろう。しっかりせえよ!お前の心の痛みがこっちにも来て痛いだろう!ちょっとは自分でコントロールしろよ。と言う意味で、痛みを送り返してやったんだ。」

と軽口をたたきます。

「え?身体は九つあるんだから痛みは分散されるんじゃ無いの?

あ、心は一つだから、心の痛みはそのまま伝わるのか?」

と、小夭の理解の無さに涙が出ます。

相柳の心の痛みは小夭に届かないように、相柳がその胸の中に必死で押さえ込んでいるから、わからなかったんだよね。小夭の心の痛みが相柳に届くなら、相柳の心の痛みは小夭に届く筈なのに、今まで届いていないのは何故か、不思議に思わんの?

相柳は冷酷で心が冷たいから傷つかないと思い込んでいませんか?

本当に一心同体なのね、なんて言いながら、肝心の相柳の深い愛がわかっていなくて、本当に相柳が不憫です。

九つの身体というのは例えで、九つの命があるという事。

九つの命と言いながら、もう、一つは小夭のために使って八つになってるのに。

でも、相柳ご自分を慰めに来てくれたと知って、小夭の心の痛みはすっかり薄れて気分は上がって行きます。

だって、こっちが本命の彼だもんね。

向こうから会いに来てくれた!

それだけでも嬉しいよね。

そして、この一部始終を塗山璟は物陰から盗み見ています。二人が情蠱で結ばれていて一心同体の深い仲なのをここで知ったのかな?

ソウゲンに入れた物を相柳にうつしたと言うことはソウゲンは小夭が死んだ時に相柳から聞いて知ってたよね。でも、狐は一緒に死に損なってたから知らなかった筈。

何故、相柳が小夭に構っているのか理解出来たのでは?

だって、塗山璟から見ても相柳みたいな神聖な存在が、小夭と恋人同士なのは不思議な話でしょう。種族も違うし、そもそも、人間臭い恋愛などには関心も無い神様でしょう。

塗山璟の鬢に白い毛が混じっています。確か、小夭の100歳上なだけですよね。老けるの早く無いですか?もっと年上のソウゲンや赤水豊隆はまだまだ若々しいですよ。

やはり、欲が深く自分本位な生き方をしているからでしょう。欲深いことで人間に近くなればなるほど神聖さからは程遠くなり命も短くなるようです。

相柳の銀髪は白髪じゃなくて白蛇だから鱗の銀色です。

ファンタジーもので俳優さんの白髪比べの中で、見比べたら相柳のそれは明らかに白でなくて銀色ですよね。

他の方のそれは歳を重ねたからとか、苦労して一夜にして白髪になったとかで、生まれつきの人は少なかったような気がします。

まあ、相柳は他の人達より少し上の世代とは言えましょう。

でも、大雨が続いてダムの決壊が近づくように、決壊して大洪水となり、大災害を引き起こすという死へのカウントダウンがもう相柳の中では刻まれています。常にその身に感じていると思われます。

相柳を見ていると、オスカー・ワイルド原作の「幸せの王子」という童話を思い出します。まばゆいさまざまな宝石で作られた街のシンボルの「幸せの王子」の像が涙を流しているのを、たまたま翼を休めに止まったツバメが何故泣いているのですかと聞きます。可哀想な人々を目にしても助けられないからと、王子は答えます。

ツバメは越冬する為、南へ飛んでいかないといけないのですが、王子に頼まれて王子の体を飾っている宝石を運ぶ手伝いをする事になります。

王子はこうして可哀想な街の人々に一つ一つ体の宝石を与え続けて、最後には何一つ宝石もなくなります。

醜くなったので幸せの王子にふさわしくないと、新しく作り直そうと溶鉱炉に捨てられてしまいます。後には役に立たない値打ちのない鉛で出来た王子の心臓だけが捨てられました。そのそばには最後まで付き合って、力尽きて死んだツバメの姿が。(ツバメは毛球ですね。)

神様は天使にこの街で最も価値のある宝物を持ってきなさいと命じると、王子様の鉛の心臓とツバメの亡骸を持ってきました。神様は正しく選べましたと天使に言いました。     終わり。

 

九つも命があるんだから一つぐらいとっても大丈だよね?

九つも体があるんだから痛みも分散されて大した事ないよね?

相柳の事を冷酷と言いながら、平気で相柳を傷つけていく小夭の方こそ、冷酷なのでは?

どうせ作り物の王子様だから、一つぐらい取っても良いよね?良いですよと与え続ける幸せの王子さま。誰も彼に心があり痛みを受けているのを知らないし、知ろうともしません。可哀想な人々の為に涙を流している事も。

だって、幸せの王子様は像で本物の人間じゃ無いんだもの。

 

人の痛みを知らないのはお前の方だよと情蠱で小夭に教えているのにもかかわらず、小夭は相柳の痛みに思いをはせない。

人じゃ無いから。冷酷な生き物だから、と。

平気でしょう?

それだけ、相柳に甘えているのですね。

子供は無条件に愛を与えてくれる母親が、死ぬほど疲れ切っていても気がつきません。母親はその身を削り、自分の命より子供の命を優先する選択を何度も繰り返しながら、子供を育てていきます。

だんだん、相柳は小夭の母親のようになってきました。

小夭が一番求めている愛は母の愛なので、相柳の愛はそれに合わせて変化していっているのかもしれません。自分の恋心は成就しないから、形を変えるしか無い。

誰であって欲しい?と相柳は何度も聞きますが、小夭は答えません。

情蠱で一心同体となったので、小夭が心の中で本当に求めているのは母とわかったのでしょう。

 

人は冷酷非道な悪人といい、化け物という。

あなたは悪人じゃ無い、そう言ってくれる小夭。

その言葉に毛球の上から小夭と共に海に落ちます。

水の中でも息ができるのを知らない小夭は、相柳がキスを求めていると思います。

操立てする相手もいなくなったことだし、まあ良いかと目を閉じて相柳の口付けを待ちます。

その誘惑にグッと耐える相柳。

もう恋人関係にはならないと固く心を決めてはいても、想いを寄せる相手から口付けを求められると心は揺れますよね。

お前、何考えてんだよと茶化し誤魔化します。

勘違いして恥ずかしいのもあり、怒って悪態をつく小夭。

そこで、水中でも息ができることを知ります。

よくも私にこんな事をと怒りますが、これは息が出来ることを教えてくれなかった相柳に怒っているだけで、血を与えた結果、相柳の能力もうつった事を怒っているのでは無いのですが。

自分を相柳と同じ化け物にしたと言ったと勘違いして、相柳は怒って高速で去っていきます。

このシーンだけは、笑った!

まあね、蛇だからそういう風に泳ぐわね。

とにかく、必死で小夭は誤解をとき、機嫌を直した相柳とデートの再開です。

ここら辺が良くある恋人同士の誤解による口喧嘩みたいで、対等に心のうちを吐露しあうことのできるソウルメイトなのがよく分かります。

ただ、相柳は自分の恋心はもう必死で隠しているので、前のようなエロチックな恋人同士の雰囲気にはなりません。

恋人として夢見るにはふさわしくない人と拒絶され、縁を切りたいと言われたから、もう、清水鎮でいた頃のような恋人扱いはしないと固く決めているようです。

小夭のあの相柳への拒絶の言葉の数々は本当に

痛恨のミスですよね。

幸せの王子の様に、人のために涙も流すし身も捧げるけれど、自分の為には一切何もしない無欲の神聖な存在に恋の駆け引きの言葉は言ってはいけません。去れと言われたら去るしかない存在なのですから。

人魚の求愛の歌から秘め事を覗き見するまでの小夭は可愛い。

これが恋人同士なら、こちらの気分も高まって抱き合い口付けするところですが、揶揄うだけで、その先は気づかないフリの相柳です。

だから、小夭も相柳は友達でそれ以上の関係は向こうも望んでいないのだと、思うのでした。

小夭は相柳と恋人関係になりたいのなら、はっきりと自分から恋人になって下さいとお願いしなければいけません。

でも、見込みがないとお互いに思っているから、進展しないのです。

欲しければ自ら掴みに行かないと。

社内でプリンスと呼ばれ女子社員の間ではファンクラブが出来ていて、不可侵条約が結ばれている独身男性が居たとします。

この場合、指を咥えて眺めていただけでは王子様は手に入りません。

今度、食事に誘ってくださいと声をかけて、誘われて二人で食事をしたら、脈アリです。すぐに、私と付き合いませんか?と申し込むのです。

行動を起こしてこそ、恋愛は成就します。

本当に脈が無い相手なら、何度も慰めに来てはくれません。それこそ相柳が言うように情蠱が煩わしければ殺せばよいだけ。

本当に冷酷な男なら、最初に裏切られた時、殺していたでしょう。

騙されたのだから契約違反で殺しても良かったのに。

もう、恋愛相手から一退いた相柳は小夭のために、自分を守る力、助けてくれる人、帰ることのできる居場所を作ってやる事で、恋情を見守る母の愛に昇華させようとしています。

親の愛なら、子供には当然の愛なので、巣立っていけばもう振り返る事も無く前へ進んでいけます。

小夭が幸せな人生を送るなら、相柳はこのまま情蠱も痛む事もなく小夭の人生からフェードアウトしていけます。

小夭は相柳に慰められ、気分もしっかりと浮上しましたが、また、何か傷付いたら助けに現れると思ってないか?

その都度、相柳の心が傷ついているのも思い遣って欲しい。

この鈍感さ。少し、イラつきますよね。

相柳が傷つく度に、小夭も倍ぐらい傷ついて欲しい。相柳が、身を挺して庇っているぐらいは気づけよ。