楊平が双子の兄劉協に成り替わり皇帝になったので、元の名の劉平と呼ぶことにします。
姿形はそっくりでも、側で兄の子供の頃からずっと仕えてきた張宦官には偽物とわかってしまいます。そして亡き皇帝の遺体が宦官にされ焼死体となり、満寵の元に留め置かれ検視されようとしていることで、張宇大宦はいとまを取る体にして皇帝の遺灰を故郷で弔おうとします。
ここら辺の皇后や張宇とのやり取りの後で、劉平の覚悟の無さや優しさが、危険を招く事になります。
見ていて、あ、それはダメ!疑われちゃう!と言う事がありすぎて、その都度、皇后様がぎゅっと袖を掴み制止するのだけど、劉平は思っている事が顔に出てしまいます。
そして、育ての父親を満寵と荀彧が尋問の為捕まえようとしているのを知り、助けるよう皇后に掛け合います。父を助けることができないなら、漢王朝も終わらせるぞと、脅迫します。
そして、楊修に司馬懿への言付けをしますが、楊修は司馬懿を殺すつもりです。
楊修と言う人は曹植を曹操の後継にと画策した人とどのドラマでも描かれて居ますが、どの程度、自分の主君に相応しいと思っていたでしょうね。
曹植の天才的な詩人としての才能には信奉していたと思うけれど、曹植は政治力や為政者としての能力には欠けていたと思うのよね。
楊脩にとって曹植は担ぎやすい神輿に過ぎなかったと思います。
その点、曹丕はある意味、曹操とそっくりな策謀家であり、曹操以上に冷酷な人間だったと思われます。曹操からあまり愛されなかったのは近親憎悪のせいではないかと思います。
曹丕を跡取りにしなければ、自分の死後必ず最愛の息子の曹植は殺されてしまうに違いなかったから。
曹操は自分の死後、自分の側室達も曹丕に追い出されて路頭に迷うことになるだろうと、側室達に自分で食べていけるよう手に職つけさせたり商売させたりしています。
曹丕が自分よりはるかに冷酷だと知っていたからです。
しかし、跡取りとしては曹丕が一番だと分かっていました。国や一族を守り天下統一も成し遂げれる能力は曹植にはないことも。
跡を継いだ曹丕から愛する家族を守る算段も曹操はしていました。
この三国機密では、次回から登場するまだ少年と言って良い若君の曹丕がいかに闇堕ちして行き司馬懿と新たな国造りをするに至ったかの過程が描かれていると思います。
さて、今回の三国機密は宦官張宇がメインの話でした。皇帝の一番身近で世話をする去勢された男の奴婢です。宦官もピンキリで宦官のために滅んだ王朝もいくつかあります。また、とても優秀な宦官もいて、有名な人では明の鄭和がいます。大船団を率いて世界各国と条約を結んで回った鄭和は宦官でした。永楽帝の命を受けた今で言うと外務大臣のような役職でした。
今回の大宦張宇は都を出るところで満寵に捕まって都へと護送されます。皇帝の命より日本で言うと、警視庁長官の権限の方が強いとはこれいかに!ですね。
この時の張宇は死を覚悟していますね。元より皇帝の遺灰を埋葬したら後をおうつもりだったと思います。でも、言動がバレバレで怪しすぎる。もっと上手く行く道は無かったのか?
捧げる忠義は兄の皇帝にあり、弟の皇帝にあるのではないから、2人の主君に仕えるわけにはいかないのでした。
年齢的に子供の頃から皇帝の世話をしてきたから、親以上の愛情を捧げてきたのでしょう。
宦官も人の子。子供が持たなくともその愛情の行き先は宮中での子供達、皇子に受けられていくのでしょう。
でも、奴婢であるが故に、人間扱いはされないのでした。だから兄とは違う温かい思いやりの心を持つ劉平のことを心配しています。
側室で兄の皇帝の子を宿している無邪気な董妃。史実からもこの先の悲劇が予想されてその言動にヒヤヒヤします。肌を合わせた女の感が、皇帝が偽物ではと気づかせます。
安易に言葉にするのはやめて!と思いますね。
同じ遺伝子でも生きてきた環境が違うので、体に刻まれた歴史も違います。手とかに表れてると思うのですよ。兄は重いものは筆ぐらいしか持ったことがないだろうけど、弟は弓も剣も使うので手にはタコが出来ているはず。
近くで見られると絶対にわかりますよね。
次回はいよいよ、曹丕役の檀健次の登場です。
檀健次は声やセリフもとても素晴らしいので、声優さんがそれにどこまで迫れるかもチェックしないとですね。