四方館36話37話 最後まで視聴しての感想

四方館、後日談やメイキングまで全話視聴しました。

大変、面白かったです。後半の加速度、素晴らしく課金して一気に見てしまいました。

ラストの36話37話はスピード感が命なので、あらすじは詳しくは語りませんが、元莫が、父の矢傷で穴がいっぱい開いた官服を前に涙するシーンは秀逸でした。

 

全部見て改めて副題がGO EASTになっている意味が分かりました。

阿術が命がけで東の雍国へ逃げて行った理由。

カンおじさんに東へ向かえと言われたのは何故か?

保護者のカンおじさんがいずれ雍国へヤンレ大使で行くと言うこともあるのだけれど、ヤンレ国王室の唯一の生き残りの公主が国や民を救うには、雍国の助けがないことには実現できないからです。

彼女は最初は分からなかったでしょうが、外交官のカンおじさんは色々な手を考えていたと思うのです。雍国には阿術の婚約者のタミ王子も遊学しているし、元莫の父親が救った命であるからには雍国の外交部も力を貸してくれるであろうと目論んでいた筈です。

元莫と阿術が恋仲になるとは思わなかったでしょうが、これ以上はない婿とすぐに応援していたと思われます。勝負の行方は見ないまま亡くなりましたが、最終的に国の存亡をかけた囲碁で勝ったのはカンおじさんでしたね。

元莫の父親とその交友関係から、元莫は雍国でも名家の出だと言う事がわかります。

中国の古代王朝では多くの王族の娘が皇帝の娘公主となり、周辺諸国の王妃として婚姻が結ばれました。

元莫はその逆バージョンですね。

スペインの初代女王イザベルは隣国のアラゴンの王子フェルナンドと結婚しました。

イザベルは結婚によりカスティーリャアラゴンを統一して王国スペインを建国し、夫のフェルナンドと共同統治しました。

彼らの娘はハプスブルグ家と婚姻しヨーロッパの王室は今も全て彼らの姻戚です。

当時、王位継承権第一位の王女イザベルは国内の大貴族達から婚姻を迫られ、幽閉状態でした。

かねてより目をつけていたアラゴンの若くて美しい王子のもとへ馬を走らせて逃避行します。

アラゴンはスペインの東部とイタリアに領土を持つ海洋国家でした。地中海貿易を制した国家で、後にアラゴンの王子、フェルディナンドは戦争に強くスペイン大帝国をイザベルと共に築き上げます。

イザベルは密かに彼と婚約して幽閉から脱出して東へと馬を走らせたわけです。

ヤンレの公主阿術も無事に優秀な婿、元莫をゲットして凱旋帰国し、王位を取り戻したので、凄く似てませんか?

結婚式の後、二人の子供が産まれるまでにはまた帰ってくると王とウッチ華は辺境軍を連れて去っていきます。

そこでお話は終わりますが、後日談の保護者おじさん達の麻雀会のわちゃわちゃも面白い。

王とウチ華も結婚したのでしょうね。

常に国境には駐屯軍を置いて有事に備えるものです。外交的に相手国にプレッシャーをかける時も国境線に布陣するだけで効果があります。こう言う細かい設定もきちんと描写されていて良かったと思います。

 

さて、我らが元莫ですが、四方使としてヤンレ国へ阿術を送って行くと決めた時点で、婿入りの覚悟を決めたと思います。

そして、四方使の役目を終えたら、ヤンレ国女王の婿、実質的な国王の役割まで果たす覚悟でいたと思います。

雍国にしても最大懸念の周辺国王が自分の国の元大使なのは願ってもない事ですし、ヤンレ国にしても超優秀な官僚兼外交官を手に入れた事になります。

元莫、それで良かったんかい?と言う気もしないではないですが。

だって、砂漠の国だよ?貧しそうだし。

いくら阿術に惚れたからと言っても、外国暮らしは辛くないかい?

まあ、一国の王様になれるから、良いのか?

 

お話としてはハッピーエンドで八方丸く治って良かったです。

とにかく檀健次の可愛さと美貌と演技力を、毎回楽しくこれでもかってぐらい堪能出来て大変満足しました。

コメディなのだけど、その匙加減が絶妙でうるさく無いところが、流石に上手い。

これは監督や脚本、俳優陣の演技力によるところと賞賛したいです。

日本で配信されたら、ゆっくりとまた楽しく再視聴したいです。

 

あ、最後に一言。

檀健次、キスが凄く上手いのが分かりました。長相思では一回しかしかも人工呼吸だろなキスだったからわからなかったけど、

四方館の阿術とは何回もキスをします。お互いに心のこもった優しいキスを。細やかで愛おしいと思う気持ちが伝わってて、お互いにキスを楽しんでいる。とても良いキスでしたね。

相手役のジョウ・イーランの気持ちは分かりますよ。こんな綺麗な顔が近づいて来て優しいキスをいっぱいしてくれたら、凄く嬉しいよね。

お互いに気持ちが乗っちゃうよね。

 

これまで色々、男優さんのキスって見ましたが、私は檀健次のキスが一番甘くて上手いと思いました。

長相思で小夭とのキスシーンは一回しかなかったけど、それは血を吸う噛みつきじゃないちゃんとしたキスだったら、小夭はいっぺんに恋に落ちたことでしょう。でも、それでは誤解もすれ違いもなくお話にならないからかな。

 

四方館が日本で配信になったら、皆さん、キスシーンに注目してみてくださいね。