長相思 狐が用意した古民家

今回、塗山景が小夭の為に用意した古民家について、考察してみよう。

 

小夭の本当のパパの赤辰の家だったのでした。

 

奇しくも、辰栄響悦と赤水豊隆の誕生日の宴で防風北が言及したように、赤辰は本当は中原の英雄なのでした。

小夭のママ世代の物語によると赤辰は森の神みたいな自然界の神、大地の神というかそんな様な大変力のある神様で、ゲームで言うと世界を守る世界樹とか人とは違う種族の精霊みたいな神様。世界中から英雄と呼ばれていました。

色々な経緯により辰栄国のために戦って、小夭の母と相討ちで死にます。

西炎国王、酷いですよね。自分の娘に恋人を討ち取ってこいと命令するなんて。小夭の母以外に誰も赤辰を殺せないから。赤辰は無抵抗になるもの。二人には死ぬしか道は無かったのです。

でも、それで辰栄国は滅び西炎国が勝ち、三国で覇権を争っていたけど今は中原を挟んで西炎国とコウレイ国が対峙した勢力図となっています。

 

赤辰は相柳と同じような存在なので、契約とか、誓いがあって、仕方が無かったのかな。心中っぽいよね。または死を装って駆け落ちか。元々恋人同士だったようですし。

そもそも、赤辰は頼まれて辰栄国のために助力したのであって、義理と借りがあるのは辰栄国の方なのです。

相柳のように長く生きているものはその経緯を知っています。それに今、辰栄軍のレジスタンス軍の軍師をやっている経緯からも葬らられた真実をたくさん知っていそうです。

詳しくはここでは言えませんが、赤辰が戦勝国側が流した話のような悪魔のような極悪非道な荒ぶる神というわけでは無いのが、徐々に明かされていきます。相柳が、悪神とか極悪非道な怖い妖と言われているのと同じ事なのでしょう。

 

塗山景による家の説明では、植物を操る能力に長けた高度の霊能者の住まいだったらしい。今もその霊力に守られている家らしい。

小夭はその地形と位置からこの古民家が赤辰の家と分かります。多分、気になって調べているよね。

質素でそれでいて心地良い美しさに満ちています。それは作った赤辰の霊能力のお陰。

ここが壊されないまま残っているのも、祟りを恐れてなのでしょう。ここは日本人ならよくわかる感覚。日本の神社の中には祟りを恐れて非業の死を遂げた英雄を神様として祀った神社さんがいっぱいあるからね。

そして、赤辰をもしかして父かもと思う心が、小夭がこの古民家を気にいる理由でもありますが、それは塗山景にはまだ言えない秘密。半分の血が心地よさを感じるのかも。ママもここでパパと暮らしていた時もあったかも。

 

ここで、わたしがやはり気に入らないのは塗山景が自分で一から作った家でないという事です。

人の褌をかりて相撲を取るみたいな、大事な事を自分でやらないこの姿勢です。

塗山不動産に物件を探させて、購入して、塗山建設にリフォームさせたってことでしょう。

全部塗山家の財閥の力を使いながら、全部捨てて小夭と此処で暮らしたいって言われて、本気に出来ます?

赤辰は自分の家を一から自分好みに植物を育てるように作り上げたと思うのよ。とても愛着もあったと思うわ。なのに、死んでしまって金持ちに買い取られてしまうなんて、気の毒。しかも女の機嫌を取るために買ったなんて。これが小夭でなく隠して置きたい妾の為に買われたのだったら赤辰も泣くに泣けない。実際、似たようなものですよね。中々婚約者と破談できそうもないけど、小夭とは隠れて逢いたい。本妻に内緒の妾扱いですね。

 

でも、偶然とはいえ娘の小夭が自分で使うなら嬉しいのではないかしら。

 

ところで、小夭は清水鎮にいた時の暮らしが好きだとこの狐は勘違いしていませんか?

私が思うに元々お姫様だった小夭です。好き好んで質素な貧しい暮らしをしていたわけではなく、放浪して医師で自活出来るようになってやっと定住したわけで、家族からも身を隠していたので仕方なくそういう質素な目立たない暮らしぶりだったと思うのです。そして、家事労働も嫌いだよ。お椀もいやいや洗ってたじゃん。初回にこういうシーンを入れてあるのも、布石だったのね。

だから、本当は贅沢三昧もしてみたいというのが本音でしょう。

身分を取り戻した時、それで黄金の上で寝てみたいとか、いっぱい着飾ってみたいと言っていたのではないでしょうか?

質素な暮らしも出来るけど、一番求めていたのは家族の愛であり、王家のしがらみにとらわれない自由な生活であって、別に貧しい生活や自給自足の生活が好きなわけではないと思うのですよ。

金が一番と最初に言ってたしね。金さえあれば大抵のことは叶うから。貧しさに苦しんだ事があるからの思いです。

 

この狐のこの古民家購入は今で言うと、都会暮らしの人が田舎生活に憧れて別荘を買ったり、農業をした事もないのに農地を買ったりするのに似ています。

元々田舎育ちの金持ちは絶対に田舎に別荘など買いません。都会の一等地のマンションを買います。

だって、元々山や農地を持っているから。田舎の実家は都会の一軒家とはくらべものにならないぐらいの豪邸です。わざわざ田舎にちんけな別荘なんて建てたりしません。

実家が地方にあると家屋敷の管理をするのも大変なのよ。毎年、盆暮には休み潰して帰省しないといけないし、庭師に払う金額だけでも20万はいるのだから。

 

塗山景は金持ちだから、使用人もいっぱい引き連れて別棟に住まわせて、家事や身の回りの世話も小夭にさせないのなら良いけど。そう言う具体的な事は全く考えてないよね。

金持ちは別荘に管理人を置いて食事も一流シェフ呼んで作らせますけど。そうするつもりかな?

 

本当に塗山家を捨てるなら、お金も捨てないとね。

無一文で、この山小屋風の古民家で小夭に依存して暮らすのが理想なのかも。身の回りの世話も料理や家事も小夭ママがしてくれるんでしょう?

 

 

私の友達でご主人が、田舎のとある山を相続したので、山小屋を建てて炭焼き小屋も建ててそこで暮らしたいと数年がかりで口説かれた奥様がいます。友達も多い方なので誰も知る人のいない田舎の山奥で暮らしたくはなかったのですが、とうとう

都会の一等地のマンションを売り払い引っ越しました。

嫌だと言い続けたのだけど、ご主人に惚れているので仕方なく田舎に引っ越していきました。

今はお幸せかしら?その後、便りも無いので分かりません。

 

塗山景、二人で住む家を勝手に相談も無しで買うのもあかんと思うよ。本当にどんな生活がしたいのか聞いてみたことはあるのか?

この狐の良いところは金が有り余るほどあると言うところなのに。金を取ったらか何が残ると言うのか?大の大人なのに甘ったれて何も自分ではしようとしないクズ男しか残らないよ。

私なら二人で暮らすのはごめん🙏で、この古民家だけ、私の名義にして頂戴と言いたいです。

だって、パパの事を悪く思っている人とパパの家に住めないし。価値観も違うし。

相柳となら、住めそうです。パパと感性が似ているから自然大好きな相柳との逢引きに使えそう。

 

私の周りにも別荘を持っている人が何人もいますが、使わないと痛むから年に何回も行かないといけないし、着いたその日は掃除で明け暮れ、買い出しに行ったり、料理も自分でしないといけないし、帰る時も1日かけて掃除をしなければならない。

車で長時間移動するのも歳をとると結構疲れるので、別荘なんて買うんじゃ無かったとよくこぼしてます。

有名企業の社長を勤めた人や相続した別荘をもっているぐらいだと、このぐらいの別荘生活が、やっとです。

大成功したオーナー社長なら常駐の管理人をおけるでしょうが。

 

私なら、別荘は買わない代わりに、そのお金で世界中を旅行して一流ホテルで美味しい料理を食べる生活の方が良いな。

 

もし、これが相柳なら、私と同じで、世界中を小夭と旅して、美味しいものを食べ歩いてくれそう。今思うと、街中の美人と食べ歩きしてたのも、小夭を誘う為の下調べだったのか?

寝る時はあのビーナス誕生のような貝殻の相柳のお家で寝るのよ。あれは海の上も中も移動できて最高よね。白くて綺麗だし、掃除も簡単。

時々は街の旅籠で泊まっても良いし。

移動は鳥の毛球にのって、空を飛んだり、街中は防風北のもってる白いペガサスで移動もできるよ。

自分専用のプライベートジェット二機とクルーザー兼潜水艦を持ってるのは何気に凄いよね。しかもカッコいいし、綺麗だし。

お金に困ったら鱗一枚売れば良い。極北へいってまた氷晶をいっぱいとってきても良いし。

あ、もしかして氷晶なら、作れるんじゃない?

雨や雪を降らせることができるのだから。

そして、もし、病気になっても介護もバッチリできるし。

 

結婚したらどういう生活になりそうか、それぞれの相手との生活を想像してみました。

 

ソウゲンなら、後宮に閉じ込められて外には出してはもらえないだろうね。妃達との争いが絶えない生活。子供の命も狙われそう。

ちなみに今、天下取りを目指し出したソウゲンの居城はトゲトゲ瓦屋根の禍々しさ一杯の魔王のような城ですよね。その住まいに心象風景が表現されていてソウゲンこそ恐ろしい悪魔のようです。

 

狐は田舎の山奥で自給自足の引きこもり生活。

田舎での子育て。これは、ちゃんと子作り出来たらの話。でも、全て母親の役割だけを求められています。時々、子供より僕を大事にしてと駄々をこねられます。

 

相柳となら、二人して世界中放浪して食べ歩きしたり、遊び暮らす生活。子供ができるかどうかはわからないけど、卵で産むのも楽そうで良いかも。防風北の母の介護で親子の愛も学べたので、子供も愛して子育ても一緒に出来そう。

 

赤水豊隆なら、名門の良き妻として家の事も切り盛りしながら子育てに邁進する生活。まあ、よくある普通の名門の奥様ですね。ちゃんと夫や父親の役目も果たしてくれそう。ソウゲンのおすすめでもあります。

 

とにかく、皆、一応どんな生活がしたいか、小夭に聞いてみようよ。

私が新婚の時、夫と話していて一番呆れたのは

「女は好きな男のパンツを洗うのが好きなんじゃないの?」と本気で聞かれた時です。

「馬鹿じゃないの?男のパンツを洗うのが好きな女は世の中に一人もいません。

言っとくけど、男の世話をするのが好きな女もいないからね。そんなことを言う女は大嘘つきだからね。家事労働はやらないと溜まっていくから仕方なくやってるの。」

外では優秀な人なのに、男って本当に馬鹿だなあと悟った瞬間でした。

小夭の周りの男達は相柳を除いて、みんな小夭の大事なことを勝手に決めてしまう傾向があります。それ、間違いだよ。

自分の価値観だけで相手を量ると、心は得られないと思います。