ソウゲンは小夭と塗山景のお目付け役として赤水豊隆を考えていたのに、辰栄府を留守にして私兵の軍を整えて来た赤水豊隆。
ソウゲンは小夭と塗山景が恋愛関係にある事を赤水豊隆に言えないので、この目論見が外れてしまいます。
何故、言えないか?
婚約者のいる男と不倫しているなどと、小夭の恥になるようなことは言えないのです。
それにあくまで対外的にも兄として振る舞っているし、一番小夭の相手として気に入っている赤水豊隆に逃げられるのも困るから。普通の感覚なら身持ちの悪い女を結婚相手にはしないです。
一方、塗山景も子供の頃からの親友である赤水豊隆に小夭と恋愛関係にある事を内緒にしています。最初に小夭のことが好きなのだと一言言っておけば友情を裏切る事にはならなかった筈。
いけないこととわかっているが、好きなのだと言っておれば、じゃあ、恋ではライバル同士だねという事になってた。
何故、そうしなかったか?
友情よりも自分の青丘公子としての評判の方が大事だったからでは?
婚約者がいる身で、他の女と恋愛しているなどと、良家の子女ならあってはならぬ事。
勿論、赤水豊隆は高貴な身分で育ちも良いので、親友がそんな下品な事をしでかしているなどと思ってもいないのです。彼の妹も絶対あり得ないと思っています。だから、目の前でコソコソといちゃつかれても気が付かないわけです。
四大世家と言われて青丘公子と言われても、所詮は下賤な商人。小夭も高貴な生まれでも放浪した前の体は男の野良育ち。
人を欺いても平気なところが、この二人、育ちが悪いと言えましょう。
しかも、塗山景は親友を裏切っていますよね。
より罪が深いです。
友達の彼氏や彼女を寝取ったり、親や兄弟姉妹の配偶者に手を出したりする人間を私はとても穢らわしく感じます。今までの人間関係を壊してまで、色恋をとる人間は地獄へ落ちる悪人です。
今回で、私はすっかり塗山景が駄目になりました。
小学校の同級生で、高校の時に親友に彼氏を取られて自殺未遂した子がいるので。両方とも小学生の頃からのクラスメイトでした。
寝とった方の子が私は最初から嫌いでしたが、なんか、この事件で私の感覚は正しかったなと思いました。子供の頃から先生や同級生に凄く評判の良い女の子だったんですけど、私は嘘くさくて敬遠していました。でも、皆、凄く可愛いと言ってましたね。どこが可愛いのか私にはさっぱりわかりませんでした。こいつは絶対本音は言わない奴というのが私の第一印象でした。そういう人とは友達にはなれません。
何と小、中、高、大学まで私はこの親友の彼氏を寝とった裏切り女と同級だったので、仕方なく避けまくっていましたよ。クラブまで一緒だったのよ。靴底にくっついて離れないガムみたいです。なんで、私の行くところ行くところにいるんだと不思議で仕方なかったです。
穢らわしいので、見るのも嫌。なんと、彼女は今、小学校の先生をしています。人を騙すのが上手いのできっと良い先生で評判も良いことでしょう。でも、事件を知ってる人は皆、彼女から去っていきました。
悪魔が子供達を教えているなんて本当に消息を聞いた時はゾッとしましたよ。
塗山景と比べて、ソウゲンに赤水豊隆は「恋より友情だ」と言っています。キッパリ言ってて清々しいです。当てが外れても何も言えないソウゲン。
ここはコメディタッチですけど、心の底から笑えませんよね。
豊隆にしてみたら、まだ、片思いですし、友情を取るのは当然です。婚約していたり、結婚していたら、女の方を優先するのはアリですけど、その時の重要度によりますよね。
義兄弟の契りを交わしたソウゲンと豊隆です。
男同士の友情を大事にするのは好感が持てます。
同性に好かれている人の方が、性格も良いですし。裏表無さそうで信頼できます。
その点、塗山景はどうでしょう。恋愛以外の抜け目なさや能力の高さを見てみると、信用ならないずる賢さを感じてしまいます。
本当に彼は恋愛に不器用なのでしょうか?
例えば、小夭が言うように、塗山家の財力と人脈で、手に入らない薬は無いですよね。
何故、傷跡を直さないのでしょう。自分そっくりの分身の術も使えるのに、傷跡消せない筈はないですよね?
私、手術した事があるのですけど、外科的な傷跡って、数ヶ月で赤い筋ぐらいになって、二、三年もたつと、どこが跡かな?ぐらいに消えてしまいます。外傷は内臓疾患と比べて日にち薬と言って、よくなる一方なのです。
この狐は、小夭の気を引く為にわざと治していないと私は確信しています。
他の人と比較しても自分が優っているところは、お金があることと、小夭の母性本能と同情心を引けることだけとわかっているからでしょう。
今回、防風北と相柳が同一人物だと分かっていて、狐が周りには秘密にしているのは何故?
それは、小夭が本当に愛しているのは相柳だと知っているから。
周りにバラすと小夭から恨まれるし、縁を切られるだろうから。もう高速でそろばん弾きまくっています。
相柳には恋敵としても絶対勝てない事を知っています。
小夭は相柳が自分の事を薬壺としか思っていないと言ってますが、小夭が相柳の事を好きなのは、葉十七の時に思い知っています。
小夭は相柳に呼び付けられたり、自分から誘いに行ったりしていますが、ただに血を吸うだけなら、数分で済むところを明け方まで帰って来なかったりします。小夭の寝台も使っていますし、相柳の為に毒薬作ったり、策略も練ったり、スパイと疑ったソウゲンから拷問を受けたりします。全て、ずっと見ていて知っています。
そして、防風北の姿で再び現れてからは、もう自分よりずっと長い時間を防風北と過ごしています。防風北の本来の姿をひた隠しにして、逢瀬を重ねているのは、小夭の方が相柳に逢いたくて逢っていると景は分かっています。
美しさや霊能力や男のしての色気など、全ての魅力について、自分の方が相柳より劣っていることを知っています。
だから、母性本能をくすぐる可愛さや同情とかを武器にしなければ勝てないと思っているのかな?
女が男のどういうところを可愛いと思うか?
これは、年齢や家族関係、子持ちか否かで、違ってくると思います。
私個人でも、年齢によって違ってきました。
大人になるまでは、男性を可愛いなどと思ったことは無かったです。
小さな男の子は可愛いと思ったことがあります。バス通学の小学生の兄妹のお兄ちゃんが、妹をバスの揺れから一所懸命に守っていて、こんなに小さい子なのにお兄ちゃんだからと頑張っているところが男らしくて、可愛いなと思いました。
子供を産むまで、子供の事も嫌いでしたから、自分の産んだ子供は可愛いと自然に思えて、驚きました。そして、他人の子も可愛さが理解できるようになりました。
でも、大人の男性は滅多に可愛いとは思いませんが、夢中になって頑張ったりしている人はごつい見た目の人でも可愛いと思いますね。
見た目が可愛いのに、性格は男らしく頑張るタイプも可愛いと感じます。
長相思のキャラで言うと、今回の赤水豊隆は可愛いなと思うキャラです。中の人が一番若くて素顔がとても可愛いのも良いです。綺麗だよね。
相柳もこの前の女との飯代は男が払う!な所も可愛かったです。ギャップがたまらん。
相柳の場合、中の人の檀健次が、私の好みのど真ん中の可愛さなので、ちょっと冷静には語れません。最近爆発的に売れてて、自信も出て来て、可愛さを演出してプロとして表現しています。中身はめちゃ男っぽい性格ですが、客観的に見て容姿は凄く可愛いし、綺麗ですよね。自覚のある可愛さって、こんなに破壊力があるのかと毎回撃ち抜かれています。
塗山景は中の人が綺麗でカッコいいなとは思いますが、キャラも演技でも、可愛いとは思わないので、どこが可愛いと思えるのか教えて欲しいぐらいです。狐という設定が可愛いだけと思うのです。でも、その可愛さもわたしはめちゃ甘えんぼうの大型犬を飼っているのでちょっと違うなと思ってしまいます。
お兄ちゃんのソウゲンですけど、こちらこそ、なんか保護欲をそそられますよね。辛い運命に必死で立ち向かっているところとか、小夭が助けてあげたい!と思うのももっともかと。
中の人は性格が良さそうで努力家だろうなと思うところも良いです。そこも可愛いなと思えます。
私はストレートなので、ゲイの人の女性っぽい仕草とかは全然そそられません。インスタで、とあるイケメンの超人気の中国俳優さんが、普段はめちゃ女性っぽいので、一気に冷めてしまいました。結構、ファンだったんですが。
ゲイでも関係なく全然好きなんですが、男性としては見れなくなりますね。
高身長のイケメンの俳優さん、あくまで男らしく演じてくださいね。そちらの方が、チラッと見える性格の可愛さとかに萌えますんで。
容姿が可愛いらしく綺麗な男優さんはあくまで中身は男っぽく演じてくれたら、もう凄く無敵の可愛いさです。
女性にとって恋愛は人生を左右する重大事ですが、だからこそ真剣に相手を見極めねばなりません。
お互いに孔雀のように一番魅力的と思われる姿を相手に見せて、ダメなところは隠して置きたいものですけど、その過程で、相手を測ることができます。
今回はその醜い姿やダメなところを恋愛の武器として使っている塗山景のしたたかさが、他の男達とちゃんと対比で表現されてて本当によく出来た脚本だなあと思いました。
赤水豊隆の贈り物は女性への贈り物としてはピントが外れていますが、小夭の事を一生懸命に考えて好きなものをと選んでいます。
それに比べて塗山景の贈り物は、自分との誓いを確認させる支配欲めいていて小夭の事を本当に考えてはいないのが、わかります。
私の夫は結婚当初から今に至るまで、私に本当にたくさんの贈り物をしてくれる人です。
今はガーデニングが趣味なので、花が一番多いかな。私が好きな果物も育ててくれています。記念日とかは花束から鉢植えまで様々な花を贈ってくれます。
花以外も身の回りのバッグや洋服や装身具も主人が贈ってくれたものは、値段に関わらず、気持ちがこもっていて愛用しています。
お土産のセンスも抜群なのですが、失敗も。
海外出張の時のお土産は何が良いか聞かれた時、ブランド物の洋食器と答えたら、いく先々の国ででアウガルテンやウエッジウッドやバカラなど買いまくって航空便で送ってきて、冬のボーナスが飛んじゃったことも。自分の趣味にしてしまうぐらい選ぶのに悩んだ結果のことです。
外食のときのレストラン選びにも毎回気をつかいます。接待とかで使ったレストランも美味しかったから君にもご馳走したいと、私とのデートに連れて行ってくれます。
値段じゃないのよ。私の気にいるかどうかだけを一番に考えて悩んだり選んでくれているその気持ちが、嬉しいのです。
プレゼント選びから見て、この赤水豊隆は本当に良い夫になることでしょう。
浮世離れしている相柳でさえ、デート用の食べ歩きレストランをしっかり自分でリサーチしています。
自分の事ばかり考えて実は小夭の事は考えてない狐は本当にクズ男で夫には相応しくないです。
この細かい対比を必ず入れてくるトン・ファ、お見事です。