20話で海から帰って来た小夭は海藻を頭につけたままの格好で妹の阿念のところに殴り込みに行き、お互いに容赦なく喧嘩をして気持ちをぶつけ合います。
阿念が自分の母親の身分が低いことをコンプレックスに思い、それがわだかまりになっていることを、小夭は分かっているのです。
小夭の母は大姫将軍として国のために戦場でなくなりますが、身分が高いからと言って幸せとは限らないわけを妹に説きます。
身分が高い母のお陰で幼くして母を亡くしずっと母からの愛を知らず辛い目に会ってきた姉。
そう言う姉の辛さを知り、思いやれるのはやはり愛されて育ってきた素直さがあるから。
これで、仲直り出来て良い姉妹関係になれたとおもいます。
小夭のことですから、姉らしくこれからは阿念のことも可愛がってあげることでしょう。
小夭の素晴らしいところは、自分の不幸を人のせいにせず、誰も恨んだりしない事です。
やられたらやり返す。
一対一で喧嘩が終われば、後はお互いスッキリと禍根を残さない。
これが一番良い解決法だと心得ています。
ほんの数分で出来る兄弟姉妹の関係修復なのに、
塗山景はなぜ出来ないのだろうか?
自分の母親の継子というか、庶子いじめは塗山景には関係のない事で、兄が腹いせを弟にするのは八つ当たりで間違ったことですよね。
それは兄も分かっている事です。
ここで、しっかりと弟がやり返して言い返し殴り合いでもしたら、もう、そこで仲直りができた筈。
そこを弟の塗山景は、自分の立場が正室の子で嫡子である事を意識しまくって、上から目線で、
庶子の兄にやられっぱなしで反撃しなかったから、拗れまくったのではないでしょうか?
帰ってきてからも復讐をしません。
やり返したら、同じ土俵にたった喧嘩となるのに、あくまでそこまで降りていかないから、兄の非道さを際立たせることになっております。
そして、帰って来ても母の罪を私は償ったつもりだと言うから、また、兄の逆鱗にふれ、全部捨てて消えろと言われてしまいます。
この常に正当な嫡子で跡取りですと言った貴公子ぶった態度が、もう兄には我慢ならない点なのですよ。
お前がいるから、自分は何の価値もないように扱われるのだ、消えてしまえ!と。
本当に殺したいくらい憎いなら、生きて帰ってきた時点ですぐに殺しにかかっています。
そうじゃなくて消えてしまえ!というのは、まだ、兄の中では兄弟喧嘩の最中ということでは?
しかし、恵まれた環境で生まれ育ってきて、その恩恵をたっぷり受けて来た人はその価値が分からないのか、あっさりと投げ出すのも平気なのです。
そして、それはその立場を欲しくても得る事ができなかった者の心を却って深く抉り傷つけてしまう。
同じ様な庶子の兄妹を持つ小夭には、きっとそこら辺も分かっています。拗らせている原因が塗山景にあるのも分かっている。
それをはっきりと教えないのは、塗山景のようなタイプには指摘してあげても、生き方を変えはしないのを知っているから。
小夭やソウゲンは大事な人を守るためには戦うのも辞さないタイプだけど、塗山景は戦って人を傷つけるぐらいなら一緒に死んであげると心中を持ちかけるタイプ。
いや、僕には出来ませんし、したくないですと、逃げちゃう人。
窮地に陥った時に、誰と一緒にいたいかと聞かれたら、私は、塗山景は絶対お断りだな。
長相思の番宣の動画で
無人島で一生暮らさないといけないとしたら、誰を選ぶ?と小夭のヤンズーに聞くと
即答で、相柳と答えてました。
そりゃそうだよね。
相柳は一番頼り甲斐があるし、守ってくれそう。
食べ物も取ってきてくれそう。
塗山景は腹の足しにもならない花をいっぱい咲かせて、小夭が狩をして取ってきた獲物を小夭が捌いて焼いてくれたのを食べるだけ。
目に見えるようだね。
本当に役立たず。
愛玩犬と思えば腹は立たない。
もし、結婚するならそのぐらいの気持ちでいたら幸せに暮らせると思います。
ただの葉十七に戻り、小夭と一緒に暮らしたいと言っているので。
後、小夭はこの可愛いだけのつまらない男にどこまで我慢できるかだね。